■ キースジャレット ケルン・コンサート
このライブのCDはカナリ遊ばせて貰った。
最初に意識して聞かせてくれたのは、ONKYOの由井啓之(当時部長だったかな?)だった。
ONKYOの試聴室で、確かLPだったと思うが・・・
「これ凄いんですよ。
初め方で、楽団員が楽譜を落とすのですが、
それがパタンじゃなくて、ヒラリなんですよ。
それもヒラヒラじゃなくて、右に回転しながら足元にスッと落ちるんです。
それが何故かGS-1で聞くと見えちゃうんですよ。
録音にはその情報が入っているなんて妙ですよね。」
と身振り手振りで説明してくれた。
「変わったおじさんだなぁ…ONKYOって意外と面白い会社なんだ。」と、思ったのを強烈に覚えている。
そんな不思議な実験が全てでは無いが、その上で出来たのが、
All Horn system のGS-1なんだと思う。
GS-1があってONKYOのAMPも面白いモノが出てきたような気がする。
今、考えるとスピーカに会社がトレーニングされたのかも知れない。
Ge3も楽譜がヒラリと落ちる様を再生したくて突っ走って来た訳だが…
システムの調子が最高だった時は、楽譜はもちろん、
コンサートに遅れて来てクルマから慌てて降りてくる様子までもが判った。
二人がハイヒールと革靴履いたのも聞き取れた。
そんな不思議を追求するよりも、一人の天才を聴くことの出来る感動を大切に味わいたいものである。
このアルバム全部が即興だという事が信じられない。
評価記事より
キース・ジャレットは、ソロピアノで独自の世界を築きあげたことでも評価されている。ドイツのレーベル「ECM」からの最初の作品はソロピアノで、スタジオ録音では8曲のオリジナルを演奏した。
だが、キースの天才ぶりが発揮されたのは、完全なる「即興」ピアノ演奏の本盤だ。観客の目の前で、気持ちの赴くまま弾くソロは長くなるが、それでも起承転結のある構成力の高さには舌を巻く。即興でありながら、難解なところがない。冒頭の<1>は、車のCMに使用されたこともあるほどだ。彼のポップなメロディセンスが最大限に表れ、リアルタイムで最適なハーモニーをつけていく。一定のテンポで1つのフレーズを繰り返す情熱的なパートや、すべての音に集中して奏でるパートの美しさに、言葉を失うばかりだ。
このアルバムの成功もあって、即興ソロピアノ・アルバムは多数録音される。だが、完成度では本盤が最も高いといえるだろう。(高木宏真)
楽譜が落ちるのは開始21秒くらいの左手の音でしょうか?その直後にキーッという音がします。
それですね。